輝く子どもたちに大人社会ができること

 

   嬉野市では今、スポーツに関連する話題が沸騰中です。特にここ数日はキッズ勢の活躍が顕著で、8日に佐賀市で開かれた第34回佐賀新聞学童オリンピック・ソフトテニス男子の決勝は嬉野市対決となり、塩田ジュニアA、嬉野ジュニアAとワンツーフィニッシュで塩田ジュニアは6連覇を達成。9日の同大会・なぎなたでは、嬉野クラブが一本も与えない完全優勝で連覇を果たしました。子どもたちの活躍は市民の皆さんにとっても大いなる喜びとなりました。昨年末の佐賀県中学校駅伝を塩田中が男女ともに制して全国大会に出場し、勢いそのままに郡市対抗県内一周駅伝で嬉野・太良チームが36年ぶりに4位の大躍進を遂げたことも記憶に新しく、スポーツのまちづくりを進める嬉野市にとってまさに追い風が吹いていると言えます。

 

   一方で、結果だけを見て満足するわけにもいきません。地域スポーツの強さは、子どもたちや選手個々の才能だけでなく、環境―。すなわち、練習場所や指導者を確保しうる地域の協力と熱意が大きく作用します。特に団体競技においては少子化の流れの中で、競技人口の確保も課題になります。市内の中学校の男子バレーボール部は昨夏、地区大会を制して全国大会に出場したにも関わらず、本年度から募集停止となり、廃部へのカウントダウンが始まってしまいました。そこでバレーボール協会員が中心となって、学校を超えた新たな受け皿となるクラブチームを立ち上げたわけですが、現時点では学校単位での参加が原則となる全国中学校体育大会への道は開かれていません。地域スポーツで結果を出し続けることは、持続可能な地域をつくること。まちづくりの取り組みそのものが問われていることも実感します。

 

   ちょうど9日に佐賀市であった元サッカー女子日本代表「なでしこJAPAN」の宮間あやさんの講演会で、なぎなた競技に打ち込んでいる女の子が「どんなに活躍しても『競技している人が少ないから』と言われる」と悔しい気持ちを打ち明けていました。宮間さんは「その競技を選んだ自分に自信を持って」とエールを送っていました。自身も当時は地元でサッカーをする環境がなかったのを見かねた父親がクラブを立ち上げ、男の子と一緒にプレーをする中で頭角を現して、単身アメリカにも渡り、常に道なきところに道を切り開いてきたことに誇りを感じているようでした。確かに今のスポーツ少年・少女は苦難の時代ではありますが、自分を信じて貫くことができる強い心を持つこともまた、大切なことだと思います。

 

   嬉野市は令和5年(2023年)の国民スポーツ大会・障害者スポーツ大会でなぎなた競技の開催地で、質問した女の子に心の底から「なぎなたをやっていて良かった」と言ってもらえるためにも最高の舞台を用意しなくては、と思います。競技に打ち込める環境づくり、そして子どもたちの強い心をはぐくむまちへ―。子どもたちの無限の可能性を信じて、広げるのは大人社会の責務です。課題は山積ですが、輝く子どもたちのためにできることを自問しながら歩みを進めたいと思います。嬉野市はスポーツを愛するすべての皆さんを応援します。

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